LINDA RONSTADT / FOR SENTIMENTAL REASONS

70年代にウエスト・コーストのロック・クイーンとして華々しい活躍をしていたリンダ・ロンシュタットが80年代に入ってジャズ・スタンダード曲集の3部作を発表しましたが、そのいずれも作品の完成度が高くて話題を呼び評価されました。

それ以前から歌唱力の高さには定評のあったリンダですが、ジャズ・ヴォーカリストとしてもその才能を発揮したわけで3部作がそれぞれ200万枚のセールスを記録したことにも納得させられます。

3部作のタイトルは発売順に "WHAT'S NEW"(1983年)、"LUSH LIFE"(84年)、そして "FOR SENTIMENTAL REASONS"(86年)が今回の推薦盤ですがいずれも優れたヴォーカル・アルバムで、名編曲・指揮者のネルソン・リドルの協力を得てオーケストラをバックに美しいバラードを中心にしたスタンダード曲のオン・パレードになっていて、当時40歳にさしかかっていた彼女が披露した本作は成熟したヴォーカルとはこういうものかと思わせてくれます。当店でこの作品を聴いた方たちは例外なく絶賛されているように感じます。

アルバム・タイトル曲以外にも "When You Wish Upon a Star", "Bewitched", "But Not For Me" などジャズ・ビギナーの方たちにとってもスタンダード曲を知るのに最適な作品かと思います。

最後にエピソードを一つ...

学生時代にジャズ研でヴォーカルを担当していた女性が卒業後もヴォーカル・トレーニングを続けていて、確か課題曲が "Bewitched"だったかと思いますが、レッスン・プロの女性からこの作品のリンダの歌唱を聴いて手本にしなさいと言われたそうです。

-----------------------------------------------

 (CD)