THE JAZZ GIANTS '56

数週間前、普段よく当店に来てくれる20代後半の青年に今回おすすめの作品を初めて聴いてもらったら、彼はとても感動して早速インターネットでこのアルバムを探したところ在庫がなくがっかりしていましたが、たまたま私があるレコード店で見かけたことを彼に話すとすぐにその店に連絡して後日めでたくゲットしました。

ジャズに関心があってこの作品のことを書物で読んだり、あるいは人から聞いたりしていても実際に聴くチャンスに恵まれない方もいらっしゃるかもしれません。

1956年にレスター・ヤングほかかなりの年齢に達したスイング・スターたちが一堂に会してこの作品が出来上がったわけですが、それぞれ枯淡の域に達した大人ならではの演奏を展開しています。

特に最初の曲、"I Guess I'll Have To Change My Plan" は最も美しいコンボ作品と言われる本作を代表しています。テディ・ウィルソンのピアノ・イントロに始まり、レスター・ヤング(テナー・サックス)→ヴィック・ディケンソン(トロンボーン)→テディ(再びピアノ)→ロイ・エルドリッジ(ミュート・トランペット)とソロが続き、音楽を演奏することの喜びにあふれたナチュラルな名演となっています。私自身初めてこの作品を聴いた際の感動をつい昨日のことのように思い出します。

「ジャズが好きでよかった!」と思わせるこのアルバムの素晴らしさを私の拙い文章は十分に伝え切れていませんが、是非一度聴いてみてください。

このアルバムの出来があまりにもよかったため急遽予定が変わってその翌日にもう一枚の傑作が誕生しました。「プレス・アンド・テディ」がそれです。もちろんこの作品も当店で楽しんでいただけます。

今回はこの欄最長のものになりました...

                              (LP/CD)